資源を大切にするための3つのキーワード「3R(スリーアール)」とは?

更新:2022年5月20日

3R(スリーアール)は、①発生抑制(リデュース(Reduce):減らす)、②再使用(リユース(Reuse):繰り返し使う)、③再生利用(リサイクル(Recycle):再資源化する)の3つの頭文字をとったもので、循環型社会構築に関するキーワードとなります。

そこで今回は、3R(スリーアール)をご紹介します。

目次

3R(スリーアール)

リデュース、リユース、リサイクルの3Rの詳細を見てみましょう。

リデュース(Reduce)

英語のReduceは「減らす」の意味です。リデュースとは、ゴミの量をできるだけ少なくすることをいいます。製品を作るときに使う資源の量を少なくしたり、耐久性を高めたりする事業活動も含まれます。

リユース(Reuse)

英語のReuseは「また使う」の意味です。リユースとはモノを捨てずに繰り返し使うことをいいます。家庭内では洋服・古紙などを捨てずに再利用することも一例ですし、ビジネスとしては「古書店」「中古家電ショップ」などがこれに含まれます。

リサイクル(Recycle)

英語のRecycleは「再生利用する」「再循環させる」の意味です。リサイクルとは、一度ゴミとなったものを資源として再利用し、形を変えて別の製品にすることで、古紙から再生したトイレットペーパーなどが含まれます。中古の家電や家具を売る店を「リサイクルショップ」と呼ぶときがありますが、これは3Rの考え方では「リユース」に分類されます。

3Rに関する取組の変遷

3R_風車

①リオ・サミット~環境問題が国際的な課題として認識~

環境問題が国際的に大きく取り上げられた契機の1つは、1992年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際連合会議(地球環境サミット)」でした。この会議においては、気候変動枠組条約(地球温暖化防止条約)、生物多様性条約が採択されるなど、世界172 ヵ国の代表が参加した国際連合の史上最大規模の環境会議となり、世界的に大きな影響を与えました。

②ごみの埋め立て処分場のひっ迫

気候変動や生物多様性に限らず、廃棄物の分野においても問題は生じていました。世界各国は、大量生産・大量消費によって経済的には大きく発展できたものの、廃棄物も大量に増え続け、環境への影響が大きな社会問題となっていました。国内でも、ごみの埋め立て処分場が足りなくなるおそれが生じるほどの状況まで追い込まれていました。

③リサイクル法の制定

 こうした問題に対処するため、1995年には、家庭からでるごみの約6割(容積比)である容器包装廃棄物のリサイクルを促進する、容器包装リサイクル法が制定されました。容器包装リサイクル法においては、自治体は家庭から出た容器包装を分別収集し、事業者は利用した容器包装の量に応じて再商品化の義務を負い、消費者は自治体が定める分別ルールに従って分別排出するという、自治体・事業者・消費者の役割が定められ、「分ければ資源」という取組が、法的に初めて開始されたものとなりました。また、1998年にはエアコンなどの家電製品を対象とした家電リサイクル法が制定されました。

④循環型社会形成推進基本法の制定

 こうした個別リサイクル法の整備と相まって、循環型社会の形成に向けた取組を実効あるものとするために、2000年に循環型社会形成推進基本法が制定されました。この法律において、3Rの考え方が明文化され、リデュース、リユース、リサイクル、熱回収、適正処分の優先順位が定められました。

3Rには優先順位

3R_エコバック
Mid section of woman carrying grocery bag against white background

リデュース、リユース、リサイクル。この順番で考えたり行動したりすることが大切です。

第一にやるべきことがリデュース

ごみを減らすことで限りある資源を節約できます。ごみは焼却されるにせよ再加工するにせよ、処理するときにもエネルギーを使いCO2を排出するので、できるだけ少なくすることが大切です。具体的には、エコバッグの使用・過剰な包装を断る・モノを買いすぎないなどの方法があります。

二番目がリユース

今家族や自分が持っているモノをできるだけゴミにしないことが大切です。不用品は人に譲ったり買取ショップへ持ち込んだりするほか、着なくなった服を作り替える「リメイク」という方法もあります。

三番目がリサイクル

リデュース、リユースを実践したうえで、それでもゴミとして出さなくてはならないものは再生利用に繋げましょう。各地域で定められている「ゴミ出しの分別ルール」は、リサイクルのために重要です。また、企業には産業廃棄物の再資源化の仕組み作りが求められています。

3Rの具体例

Reduce(リデュース)

  • マイバックを持って無駄な包装は断る。
  • 詰め替え容器に入った製品や簡易包装の製品を選ぶ。
  • 耐久消費材は手入れや修理をしながら長く大切に使う。
  • 利用頻度の少ないものは、レンタルやシェアリングシステムを利用する。
  • 耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ。
  • 使用頻度の少ないものをシェアする。

Reuse(リユース)

  • リターナブル容器に入った製品を選び、使い終わった時にはリユース回収に出す。
  • フリーマーケットやガレージセール等を開催し、不用品の再使用に努める。

Recycle(リサイクル)

  • 資源ごみの分別回収に協力する。
  • 資源ごみの効率的な分別回収を広める。
  • リサイクル製品を積極的に利用する。

3Rのために、買い物で心がけたい7つのこと

3R_プレゼント

1.食品の買い物では食べ切れる分だけを買い、フードロスを出さないようにする

消費期限・賞味期限がある食べ物は、食べ切れない場合にはゴミになってしまいます。フードロスを出さないためには買い物で工夫することが大切で、最近増えている「少量パック」などもおすすめです。ネット配達のミールキットを利用することも有効です。

2. 100円均一ショップや安売り店などではムダ使いに注意する

安売り店やバーゲンセールでモノが安く売られていると、あれもこれもとつい買いすぎてしまうことがあります。安売りの商品でも、本当に欲しいものか、長く使えるものかを考えながら選びましょう。

3. 食器、洋服、靴やバッグ、家具などは少し高価でも品質の高いものを選ぶ

安くて手軽なものを多く買うより、厳選した良いものを買い、長く使う。3Rのためにはそんな選択が求められています。品質が高い服やバッグ、靴などは価格が高くなりますが耐久性があり、長く使用すればリーズナブル。靴やバッグのメーカー・販売店では修理を受け付けていることもあります。もし不用品となって売却するときも、質がいいモノは歓迎されます。

4. エコバッグを持参し、過剰包装を断り、エコ容器入りの商品を選ぶ

商品を買うときに必ず発生する包装・容器のゴミは多くがプラスチックで、処理コストがかかり、時には海洋へ流出し汚染問題にもなっています。マイバッグを持参することはもちろん、レジでは包装もできるだけ断り、プラスチックではなくエコ容器入りの食品があれば選び、ゴミを減らしましょう。

5. 家族や知人へのプレゼントで工夫する

日本にはお中元・お歳暮などの贈答文化があります。贈り物を受け取ったとき、贈り主の心遣いは大変ありがたく感じますが、いただいた物についてはあまり好みではなく使わないということもあります。贈り物をするときは、相手にとって無駄にならないかどうかを考えて「好みに合いそうな食品」や「体験を選べるカタログギフト」などを選んだり、自分で買うものを選べるギフト券などを贈ったりするのもおすすめです。

6. 欲しいものをリユースショップで探す

アンティークの時計やアクセサリーは類似品がない「一点物」として人気があります。そのほかに古着やバッグ、古書などがリユースショップで入手しやすい商品です。フリマアプリなどを活用するのも選択肢のひとつです。

7. 「モノを買わない、持たない生活」へスタイルチェンジする

モノの買い方は大事ですが、もっと有効なのは「買わない」こと。
「ミニマリスト」というライフスタイルが注目を集めていますが、これは、モノを減らし、新しく購入するモノも厳選して極限までモノを少なくして生活する人のことです。不要なモノを処分すると部屋がスッキリして、その快適さを保つために新たに買うものを厳選するようになるはず。持ち物が少なければ広い家は不要で、ゴミも少なくなります。

資源を大切にするための3つのキーワード「3R(スリーアール)」とは?まとめ

エコライフを実践し、循環型社会、低炭素社会、自然共生社会のため、身近なところから行動しましょう。