「アスベストを含んだ製品は危ない」と聞いたことはありますでしょうか。
日本では2006年9月に重量の0.1%を超えて含まれる製品の使用や輸入、販売などを禁止されております。しかし、過去の石綿使用により中皮腫だけでも毎年1,500人超が亡くなっているのです。
そこで今回は、アスベスト含有家庭用品の廃棄についてご紹介いたします。
目次
アスベストとは?
アスベスト(石綿)は、天然にできた鉱物繊維です。熱に強く、摩擦に強く切れにくい、酸やアルカリにも強いなど、丈夫で変化しにくいという特性を持っていることから、その特性を活かしさまざまな製品に使用されてきました。
一方、丈夫で変化しにくいため、吸い込んで肺の中に入ると組織に刺さり、15~40年の潜伏期間を経て、肺がん、悪性中皮腫( 悪性の腫瘍) などの病気を引き起こすおそれがあります。目に見えないくらい細い繊維のために、気づかないうちに吸い込んでしまう可能性があります。
目に見えないくらい細かい繊維で、気づかないうち吸い込んでいる可能性があり、潜伏期間が長く、死の危険性が高い病気を発症する。怖い以外にありません。
アスベストが原因で発症する病気は?
石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。 石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。
労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療することができます。本当に大変な問題だと感じます。
アスベスト含有家庭用品とは?
家庭用の製品のうち、185社 774製品にアスベストを使用していることが、経済産業省が業界に行った調査で分かりました(平成17年12月28日現在)。これらの製品のうち、通常の使用においてアスベストが飛び散る可能性があるものは6製品で、いずれも火鉢とともに販売していた灰に含まれるものですが、これらの製品は1960年代までに製造を終了しています。
このほかの762製品(現在調査中のものを除く)については製造メーカーによると、通常の使用ではアスベストが飛び散ることはないとされています。
調査が終わったもので774製品もあり、そのうち6製品が、通常の使用において危険性があるので、家の中の確認をしましょう。
アスベスト含有家庭用品にはどのようなものがあるか?
経済産業省が業界に行った調査結果から、主に次のような機器の一部の製品でアスベストが使われていることが分かっています。
●電気製品
トースター、オーブントースター、オーブンレンジ、電気コンロ、電気ポット、クッキングカッター、ジューサー、ミキサー、電磁調理器、冷蔵庫、ミシン用フットコントローラ、洗濯機、アイロン、掃除機、エアコン、こたつ、電気ストーブ、照明器具、スタンド、ヘアドライヤー、電気温水器、換気扇等
●ガス・石油製品
ファンヒーター、ストーブ、ボイラー(給湯、暖房)、温水機器、湯沸器、ガスオーブン、ガスコンロ等
●その他
自転車、金庫、釣り用リール等
日常生活の中で使っているものが、数多く含まれており、この問題の奥深さを感じます。
アスベスト含有家庭用品のアスベストはどこに使用されているか?
製品によって異なりますが、その製品のごく一部に使われていることがほとんどです。
●洗濯機、冷蔵庫、掃除機、エアコン、ストーブなど
ほとんどがパッキン(内部の接合部)
●ドライヤー
ヒータ基盤
●こたつ
ヒータ保持部材
●オーブントースター
コード
●火鉢
【飛び散るアスベストが使われている】石綿灰
ほとんどの製品がごく一部ですが、火鉢には注意しましょう。
アスベスト含有家庭用品かのか判断方法は?
製品を製造したメーカー、製品番号、製造年から判断するしかありません。製品を製造したメーカー(製品に記載されているメーカー)のホームページで確認をするか、メーカーに直接問い合わせて確認をするかになります。
【製品分類ごとの経済産業省の担当課】
【主な製造業者のアスベスト含有家庭用品に関するホームページアドレス】
連絡先が分からない場合は、経済産業省に問い合わせをしましょう。
アスベスト含有家庭用品の廃棄方法は?
アスベスト含有家庭用品を壊したり、分解したりしないでください。
他のごみと分けて出す必要がありますので、お住まいの市町村の清掃担当窓口にお問い合わせいただき、市町村の指示に従ってください。
●自治体ホームページ掲載例
- 西東京市:石綿(アスベスト)含有家庭用廃棄物の取扱いについて
- 京田辺市:石綿(アスベスト)を含有する珪藻土製品の回収等について
- 流山市:アスベスト含有家庭用品の排出方法
- 広島市:家庭から排出されるアスベスト混入の疑いがある珪藻土製品の取り扱いについて
- 浦安市:アスベストを含む家庭用品の排出方法
皆さんのお住いの自治体のホームページに記載はありましたでしょうか。
毎年中皮腫で1,500人超が死亡!アスベスト含有家庭用品の廃棄についてご紹介!まとめ
アスベスト含有家庭用品は、通常の使用においてアスベストが飛び散る可能性、健康上の問題を生じさせる恐れはないとされています。しかし、削ったり割ったりした場合には飛散する可能性がありますので、取り扱いには注意しましょう。
心配な場合は、ビニール袋などに入れて、テープ等でしっかりと封をして、回収まで保管する方法もあります。