家庭で使用済みパソコンは、粗大ごみとして廃棄することはできません。では、どのように処分するのでしょうか。
家庭で使用済みになったパソコンは、パソコンメーカー等に回収・リサイクルをすることが法律で義務づけられているのです。
そこで今回は、パソコンリサイクルについてご紹介いたします。
目次
パソコンリサイクルの法律
平成13年4月に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」が環境省のホームページに概要が記載されています。
平成13年4月より、以下の10業種・69品目(一般廃棄物及び産業廃棄物の約5割をカバー)を本法の対象業種・対象製品として、事業者に対して3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取組を求めています。本法により、事業者に求められる取組の内容は以下のとおりです。
資源有効利用促進法の概要
3)指定省資源化製品
以下に掲げる製品の製造事業者(自動車については製造及び修理事業者)は、原材料等の使用の合理化、長期間の使用の促進その他の使用済物品等の発生抑制に取り組むことが求められています。
・自動車
・家電製品(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、衣類乾燥機)
・パソコン
・ぱちんこ遊技機(回胴式遊技機を含む。)
・金属製家具(金属製の収納家具、棚、事務用机及び回転いす)
・ガス・石油機器(石油ストーブ、ガスグリル付こんろ、ガス瞬間湯沸器、ガスバーナー付ふろがま、石油給湯機)
・浴室ユニット、システムキッチン
・小形二次電池使用機器(電動工具、コードレスホン等の28品目)
多種の製品が指定再利用促進に選定されています。10業種、69品目(一般廃棄物及び産業廃棄物の約5割をカバー)と、国の3Rへの意欲を感じます。
パソコンリサイクルの回収実績
使用済パソコンの回収および再資源化実績としてパソコン3R推進協会のホームページに下記の記載があります。
●デスクトップ型パソコン本体
【2019年度】使用済パソコンの回収および再資源化実績
・回収台数 : 50,256 台
・資源再利用率 : 77.2 %
●ノートブック型パソコン
・回収台数: 131,578 台
・資源再利用率 : 59.8 %
●CRTディスプレイ装置
・回収台数 : 11,235 台
・資源再利用率 : 68.0 %
●液晶ディスプレイ装置
・回収台数 : 99,078 台
・資源再利用率 : 78.0 %
●合計
回収台数 : 292,147台
2019年の1年間で30万台近くが回収されており、再資源化されております。因みに資源再利用量は、1,314.7トンになるそうです。1,300トン以上の量で、びっくりです。
パソコンリサイクルの手順
不用になった家庭で使用済みのパソコンは、パソコンメーカーが回収・リサイクルしてくれます。ほとんどのメーカーでは、インターネットからの申込みが可能となっているようです。
【パソコンリサイクルの手順】
① 対象となる機器を確認
申込みの際、廃棄する「製品カテゴリー(デスクトップパソコン本体、ノートパソコン、液晶ディスプレイなど)」や「型番」等の入力項目があります。事前に確認しておきましょう。
【対象機器】デスクトップパソコン、ノートパソコン、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ一体型パソコン、液晶ディスプレイ一体型パソコン
② PCリサイクルマークの有無を確認
廃棄するパソコンに「PCリサイクルマーク」が付いていればパソコンメーカーが無償で回収・リサイクルしてくれます。回収を行うメーカー等がないパソコン(ディスプレイを含む)場合は、パソコン3R推進協会が有償で回収してくれます。
③ 対象機器のメーカーに申し込み
パソコンメーカーに直接申し込みをします。 回収するメーカーがない場合は、「パソコン3R推進協会」に申し込みをします。(「パソコンリサイクルの窓口」参照)
【「PCリサイクルマーク」がある場合】
・メーカーが無償で回収します。
【「PCリサイクルマーク」がない場合】
・回収再資源化料金が必要です。お支払方法はメーカーにご確認ください。指定の料金の支払いをもって申し込み完了となります。
④ 郵送の手続き
申し込み後、メーカーより「エコゆうパック伝票」が郵送されてきます。その後ご自身で梱包して頂き「エコゆうパック伝票」を貼付し、郵便局に戸口集荷を依頼するか、最寄の郵便局に持ち込みをします。
【梱包と改修について】
⑤ 再資源化センターに配送
きちんと再資源化されます。
「PCリサイクルマーク」が有無によって申込み先が変わってくきます。何事もそうですが事前にしっかり確認しておきましょう。
パソコンリサイクルの窓口
各メーカーの家庭から廃棄するパソコンの回収問合せ窓口がパソコン3R推進協会のホームページに掲載されています。
【掲載例】
NECパーソナルコンピュータ(株)
【URL】 https://support.nec-lavie.jp/recyclesel/
【問合せ窓口】 121コンタクトセンター
【電話番号】 フリーコール:0120-977-121
携帯電話:0570-000-121(ナビダイヤル)
ナビダイヤルをご利用いただけないお客様:03-6670-6000
【受付時間】 9:00~17:00 (休日・・・土、日、祝日、当社指定休業日)
【メーカー窓口一覧】
【回収するメーカー等がない場合】
【メーカー名が見当たらない場合】
参加企業については、「43」にものぼる企業が、「あいうえお順」に掲載されています。わかりやすいですね。
パソコンリサイクルの注意点
使用済みパソコンを廃棄する際に、ハードディスク上の重要なデータが流出するトラブルが心配ではないでしょうか。そこで、データ消去について下記の方法があります。
- 専用ソフトウェアでデータを消去する
ハードディスクに無意味なデータを上書きする方法です。上書きするデータのパターンや書き込み回数により様々な方式があります。 - 専用装置でデータを消去する
消磁装置による消去は、ハードディスクの記録媒体を強磁気で消磁する方法です。この方法で消去したハードディスクはハードディスクとして利用することができません。 - HDDを物理的に破壊する
専用機器でハードディスクを物理に破壊して、機能滅失させる方法です。厳密な意味ではデータの消去ではありませんが、ハードディスクを破壊することによりデータの読み込みを不可能にします。
ハードディスクに記録された全データを、ユーザーの責任において消去することとなります。忘れずに消去しましょう。
適切に処分しないと条例違反!?パソコンリサイクルとは?まとめ
回収したパソコンは、手作業でパーツ毎に分解・分別され、分別されたパーツ毎に資源化され、資源化されることによりパソコンに含まれる希少金属などが再利用されます。
パソコンリサイクルは、私たちのやさしさを資源に変える取り組となります。私たち一人一人が、ルールに則り正しく処理しましょう。